最近のサツマイモったら焼き芋にすると、まるでスイーツみたいですね。
ストーブの、オレンジ色の灯りは体だけでなく心も温まります。
寒いのは苦手ですが、嫌いじゃありません。寒いときの過ごし方を考えるとなんだかわくわくしますね。
ストーブの上には、乾燥して少し甘みが増したさつまいもをお鍋に入れて自家製の焼き芋を楽しみましょう。
ねっとりと甘いさつまいもをハフハフしながら食べるのがこの時期の醍醐味ですね。
そういえば子供の頃、冬になると「い~しや~きいも~♪焼き芋~♪」と石焼き芋屋さんの歌声が響いていたのを思い出します。
いまでは石焼き芋機械がスーパーに置いてあって通年で買えるようになりました。流れている愉快でポップな曲を聞くと、思わずつられて口ずさんでしまうんですよ。
でき上がるまでもう少しの辛抱。甘酒をすすりながらストーブの揺らめく炎を見つめて待つとしましょう。
今回は加熱すると蜜がとろ~りと流れ出る茨城名産「紅はるか」なので、鉄鍋に入れて少し蒸し焼きに。
1.クッキングペーパーを敷いてお水を少々。
2.蓋をしてしてストーブに乗せてあとは待つだけ。たまにひっくり返します。
3.部屋中に甘~い香りが充満したらもうすぐできあがり。
4.最後にクッキングペーパーを外して焦げ目をつける。蜜ですぐに焦げるのね。
春の七草粥。土鍋「かまどさん」で炊いたらとっても時短だった。
御用始めから寒さがより一層増した気がします。
暦の上では1月20日が大寒ですが、これ以上の寒さがきたら耐えられるのだろうか、と心が折れそうな今日このごろです。
(振り返ると昨年もその前の年もこの頃になると毎年恒例の発言をしてるなあと思うのです)
さて、今日は1月7日、七草粥を食べると一年の健康と無病息災でいられる等々、昔から言われています。起源は諸説ありますが、鎌倉時代にまでさかのぼるとされています。
春の七草とは、せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろを総称したもので、古来から春を呼ぶ野草として親しまれてきました。
なずなは別名ぺんぺん草。ぺんぺん草と言えば公園や道端でよく見かける植物です。茎を持って回すと太鼓のような音がなるあれです。子供の頃よく遊びました。
ちなみにすずなはカブ、すずしろは大根のことです。カブや大根と聞くと、ぐっと親近感が湧きますね。
春の七草の覚え方は、短歌の5.7.5.7.7でテンポよく♪
せり・なずな
ごぎょう・はこべら・ほとけのざ
すずな・すずしろ
はるのななくさ
緑黄野菜の一種でもある七草は、野菜不足になりがちな冬場の貴重な栄養源として、また正月で疲れた胃の消化を助け、心身共に温まる調和のとれた健康食材として現在も高く評価されています。
私も先人の知恵を借りて七草粥を食べよう!そう思って七草粥キットを購入して作ってみました。
お気入りの土鍋を使って、キットの裏面に書いてあるレシピを見ながらクッキング開始です。
お米を洗って土鍋に入れだし汁を投入。レシピには昆布だしと書いてありましたが、アレンジ好きの私はあえての鶏ガラを入れました。
土鍋でお粥を炊いてる間に七草の準備。水でよく洗い、さっと湯通しします。
七草を子供の頃以来?いや、まじまじと目にしたのは始めてかもしれません。
ひょろひょろしてるものや葉の表面が白っぽいもの、どの草も個性たっぷりで可愛らしいのです。
湯通して細かく刻んだ七草は、癖があるといえばそれまでですが、春の早朝、新緑が生える原生林にいるような青々とした良い香りがします。
鮮やかな緑に生まれ変わった七草たちをふつふつと炊けたお粥の中に入れて出来上がり。
さて一口、うん!うまい!うまい!うまい!
寒さに耐えながら暖かい春を待つ植物の青々とした七草は、お粥と合わさってとても優しい味でした。
お正月の暴飲暴食で疲れ切った胃腸や、厳しい寒さも七草粥のおかげで回復して乗り切れそうです。
ごちそうさまでした!
旅行の朝ごはんはどうしてあんなに美味しいのだろう?
旅行の朝ごはんはどうしてあんなに美味しいのか、いつも不思議に思う
大人になっても楽しみなのは変わらない
旅行に行くと、朝ごはんが待ち遠しい。
幼いころからそうであった。
旅行のわたしの朝は早い。
歯を磨き、着替えを終えてスタンバイOK。
いまかいまかと朝食を待つ。
「ごはんまだー?」と母に聞いてみれば、
「まだまだ早いよー」と笑って返ってくるのがいつものパターン。
ふだんなら朝寝坊で布団からなかなか出られないのに、
旅先では朝からテンションが違う。
母に促されてカーテンを開け、カラカラカラーと窓を全開にし、
すこし肌寒いけど、木と土と水の清々しい匂いをからだいっぱいに吸い込む。
木々の隙間から目に飛び込んでくる朝日。
いつもよりもキラキラと輝いて、その眩しさに目を細めながら
頬に伝わる太陽の温度を確かめてみた。
「そろそろお父さんとお兄ちゃん起こしてきてね。」
いつものようにパタパタと化粧を始めた母からわたしに命令が下り、
布団にくるまる二人の上にダイブする。
「朝だよー!おっきろー!」
けっきょくなかなか起きない二人の布団をつかみとり強制的に起床。
「もう降参。」と父と兄は目をこすりながらはだけた浴衣姿で洗面所へ向かった。
「旅行ではいつもだね。」と微笑む母に
「とっくに仕度を済ませているわたしのほうが偉いでしょ?」
と目配せしてみせた。
すると。
待ってましたのひと言
「朝食をお持ししました~」
ふすまの向こうから仲居さんの1オクターブ高い声が聞こえた。
待ってましたと大はしゃぎしたい気持ちを抑え、
「おはようございます」と行儀のいいお客様のふりをした。
それでもにんまりが止まらない。
だって仲居さんの笑顔に「おなか空いたでしょう。いっぱい食べてね」が込められていたのだ。
そして仲居さんのすぐ後を追って入ってくるのがたくさんの香り、香り、香り!
パチパチする炭火で焼いた魚の香ばしさ。
ワカメと豆腐の入った濃厚でほろ苦いお味噌汁の香り。
玉子焼きからは何層にも巻かれた黄色いスイーツのような甘い香りが。
そして磯の香りと交じる甘じょっぱい味のりの風味。
みずみずしいお新香と、ねばねば納豆。
手際よくおかずたちが配膳され、いよいよ主役が登場する。
「たくさん食べてくださいね~」
そう言って、仲居さんはおひつを母の横に置き部屋を出ていった。
もう、もう待ちきれない!
おひつの蓋をあけると湯気とともに艶やかなごはんがジャジャーンと現れ、
甘く温かい香りが部屋いっぱいに広がった。
まるで玉手箱。浦島太郎はそれを開けてしわくちゃのおじいさんになってしまったけど、これは違う。
母がしゃもじでほわりほわりと優しくかき混ぜ、みんなに受け渡す。
茶碗に盛られるとホカホカと蒸気が立って、お米はいっそう輝いて見えた。
すべてが揃い皆で手を合わせる。
「いただきます!」
「ほらぁ、ゆっくり食べなさいよ~」
母の声も聞き流し、ふかふかの干したての布団のような柔らかいごはんを口いっぱいに頬ばった。
入れすぎではふはふする顔をみて「言わんこっちゃない」と呆れて笑う母。
朝ごはんを食べながら1日の予定をみんなで確認すれば
「わーい!やったー!イェイイェイ♪」
うれしくて口の中にごはんを頬ばりながら喜びの舞。
3人が口をそろえてひと言、
「座って食べな!」
まるでコントのようなやりとりも旅の思い出のひとつだった。
あっという間の完食。
おひつに用意されたごはんはいつも家で炊く量よりも、
それははるかに多いはずなのに、あっという間になくなってしまった。
旅行になるとおかわりが進むのは本当に不思議である。
少し苦めだろうなと思わせる深緑の緑茶をすすり、
「ふうー、食べた、食べた。」とお腹をさすって父の真似ごとをしてみた。
そしてまた手を合わせて、
「ご馳走さまでした、ふうー。」
旅行の朝ごはんは、どうしてこんなに美味しいのだろう。