くらすかたち あたらしいと、なつかしいがつながる暮らし

ものづくりのかたち
2023.07.04

ししゅうつなぎの生まれる場所へ(2)

伝え手 maya

(1)のつづき

村田刺繍所で刺繍のものづくりを見学しました

ししゅうつなぎは桐生市内にある村田刺繍所の刺繍工場で作られています。
可愛らしいクローバーのイラスト入りの看板が村田刺繍所の目印。
今回は特別に工場内を案内していただきました。

工場に入るとまずすぐに目に入るのが、壁一面に並んだ刺繍糸の箱。
300種類以上の刺繍糸が床から天井まで積み上がっています。

桐生刺繍といえば『横振りミシン』

桐生刺繍の代名詞でもある横振りミシンは、使いこなせるようになるまでに10年は確実にかかると言われるほど、高い技術が求められます。
ですが、すでに生産は終了してしまい「現在残る横振りミシン職人は10人もいないのではないか。」とのことです。

村田刺繍所でも創業当時はこの横振りミシンを着物の刺繍に、また戦後にはスカジャンの刺繍などにも使用していました。
工場の中で大切に受け継がれ、もちろん、いまも使用することができます。

巨大な多頭式ミシンに圧倒される

工場の中心で存在感のある、写真に収まりきらないほど長く大きい機械。
多頭式コンピューターミシンです。

こんなに巨大なミシンを見るのは初めて!
多頭式コンピューターミシンは複数のミシンヘッドをコンピューター制御しているので、同じ柄を一度に効率よく、多く生産することが可能です。
機械の均一で正確な作業による仕上がりは高品質で、立体的な帽子やカバンにもスムーズに刺繍を施せます。

その動き方は自由自在。
同時進行でスパンコールを縫い付けることもできるのだそう。
家庭用ミシンとは全くの別物です。


引用:桐生商工会議所 YouTubeより

どのように縫い、どう表現するのかというデザインを起こすのに必要な知識や技術に加え、豊富な経験値も求められる刺繍加工。
美しい刺繍作品を生むための道具として高機能なミシンを扱うことで、複雑かつ繊細な作品が完成されているのだと知りました。

(3)へつづく…

記事で紹介した商品『ししゅうつなぎ』は下記の店舗で取り扱っています。